モドル
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夢の中へ

 
クラッカーを食べる夢を見ました。

冷蔵庫を開けたらまさかのナビスコプレミアム。 そんな夢。
 
 
 
夢の中の私は
「あ、ナビスコプレミアムが在るー、ラッゲー!たべよ」 と思うのですが、
本当は心の奥底では違和感に気付いているのです。 夢の中で。
 
 
 
そう、うちの家には今、ナビスコプレミアムが、無い。

無いけど、安売りに出ているのを見つけるまでは買わないでいいか、
と、去年からずっと思ってるんです。
(現実の話)
 
 
 
それを、夢の中の私は本当は知っているんです。
これは明晰夢でした。
 
夢の中の私は夢を夢だと知りながら、夢だと気付いていない振りをしているのです。
何故なら、ナビスコプレミアムが食べたかったから。
 
 
しかし、登場人物が自分自身とクラッカーのみのその世界。 台所。 夢の中の。
誰の為に気付いていない振りをしているのかも甚だ疑問では在るのですが、
その時、私は更に重大な疑問にぶつかりました。
 
…夢の中のクラッカーって、食べたとしても味は在るんだろうか。

ただの夢の中のクラッカーならまだしも、
今、自分が夢だと認識している夢の中のクラッカーに、果たして味は在るのか。
 
 
もうね、こうなったら自棄ですよ。
 
本当は、その時にはもう半覚醒状態だったんです。
目覚ましの音も何処からか聞こえているし、自分が眼を閉じている事だって、
ベッドに横たわっている事だって解っている。
これは時間との戦い、私は急いでナビスコプレミアムを口に運びました。 夢の中で。
 
やってみればいいじゃない。
どうせこれは虚構の世界のナビスコプレミアム。
食べた途端に消え失せて舌を噛み切ったとしても、プラマイ的には寧ろプラ。
人生、経験だもの。 舌だって噛んだってそう簡単に千切れはしないよ、
と、飲み込んだナビスコプレミアムの味、は、
 
 
… 何と、在るんです。
 
ナビスコプレミアムには味が在ったんです。
 
味どころか、香り歯応え舌触り、
夢の中のナビスコプレミアムの全ては正に現実のナビスコプレミアムでした。
 
 
 
すごい!
生きててよかった!!
 
…と、
夢の中のナビスコプレミアムを口に入れたまま迎えた現実世界で目覚めは、
最高でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
数秒後、
完全に覚醒し、 目一杯 orz となったのは言うまでも無いけれど。
 
 
 
 
 
な、何がナビスコプレミアムだよっ…!
いや、ナビスコプレミアムは美味しいよ、美味しいけど、美味しいけど、
 
こんな夢を見るなんてあんまりだ!!!
なんとなく!!  はずかしい!!!!!1
 
 
て言うか、安売りなんか待たずに買って来いよ、もう…、ばか…っ!!!